毎日の「疲れた」から考える「心の病気」とメンタルヘルス

心の病気とメンタルヘルス

何となく疲れやすい…
やる気が起きない…
日々の暮らしに寂しさを感じる…

そんなあなたは「心が風邪を引いている」のかもしれません。
「心の病」というと大袈裟に聞こえますが、身体と心の健康は似たもの同士。疲労感やモチベーションの減退は、ちょっとした「心の不調」によるところが大きいようです。

現代の暮らし、生活の中に潜む「メンタルヘルス」のリスクとは?
「がんばる人」ほど陥りやすい、つい見過ごしがちな「心の病気」について考えてみましょう。

1.心の「疲れ」その正体は

1-1.心が疲れる原因

日本人は世界一「疲れた」という言葉を多用する国民だといわれています。
仕事が終わると「あ~疲れた」、休日は楽しいはずの外出先でも「疲れた疲れた…」。口癖になってしまっている方も多いことでしょう。疲れたという言葉には、様々な意味が含有されています。例えば、

こんなに頑張ったんだから、自分のことを「労わって」ほしい…
家族のために時間と労力を費やした自分の努力を「認めて」ほしい…
心身のストレスに「気付いて」もらいたい…

こうした「メッセージ」が、家族や友人の間で理解・共有されているうちは問題ありません。
「自分は疲れている」という状態は「受容」されるだけでも、その疲労感、ストレス、フラストレーションなどは幾分か緩和されます。

心身のトラブルに発展する可能性があるのは、周囲の「無関心」、または「出口の見えない疲れ」。特に、

疲れたと素直に「言えない人」
疲れたと言う「相手がいない人」
「生きること」そのもに対して疲れている人

は、ある日突然に精神的な「限界」を迎えたり、精神疾患、心身症などの「病気」を発症するリスクが高いようです。

1-2.疲れを感じやすい人と感じにくい人

疲れを感じやすい人・感じにくい人「自分はすぐに疲れてしまう」という方は、対人的な場面で消耗してしまうケースが多いようです。人と話すのがキツイ、会話を楽しむ余裕がない…
日常生活は「人間関係」なくしてあり得ませんから、対人的な疲労は「人生全体を覆う疲労感」といっても過言ではありません。

何気ないはずの会話で緊張してしまう… ちょっとした「飲み会」や家族の「団らん」すら億劫… そのように感じている人は、けして少なくありません。
とはいえ、一人でいると孤独感に打ちのめされそうになるし… 退屈でたまらないし… 板ばさみの状態で苦しんでいる方も多いことでしょう。

あなたの抱えている慢性的な「疲れ」は、心の発するシグナルかもしれません。
誰かに「認めてもらいたい」という、精神の「悲鳴」にも似た危険信号… 少し大袈裟に聞こえるかもしれませんが、日本人は「メンタルヘルス」に無関心な国民だともいわれています。
まずは自分の「心の病巣」がどこにあるのか、精神的にどのような「病態」に陥っているのか、冷静に分析することから始めてみましょう。

しかし一方では、毎日を快適に、楽しげに過ごしている人もいます。
「疲れた」と口にすることは滅多になく、人間関係から無用のストレスを感じることもない…
この「違い」はなぜ生まれるのでしょう。
その理由を考えることで、心の健康を取り戻し、メンタルの「疲れ」を解消するためのヒントを探っていきます。

2.メンタルヘルスと「理解者」の関係

2-1.実は病気かも?「プチうつ」治療の難しさ

プチうつ治療うつ病をはじめとする「心の不調」を、単なる「甘え」だという人がいます。
「我慢」が足りない、「気合い」で何とかしろ… 日本ではこのような言説がまだまだ一般的に「通用」します。
さらに問題を複雑にしているのは、心の不調に悩んでいる当人も、「自分は我慢が足りない」、「頑張れば何とかなる」という風に考えがちなこと。

「身体の病気」と違い、「心の不調」には「一生気付かない」人も少なくありません。
長い間「診断」されることがなく、したがって「治療」の対象になることもない。下手をすれば数十年という期間に渡って、メンタルを病んだまま一生の貴重な時間を費やしてしまう。ここに問題の本質があるといっても過言ではありません。

例えば最近になって流行している「プチうつ」。いわば「心が風邪を引いた状態」です。
週末~休日は元気だけれど、平日は何もやる気が起きない、仕事を頑張れない。単なる「疲れ」や「サボり癖」、「怠けている」ようにも見えるため、治療に取り組む人は少ないようです。
一見したところ「元気に見える」、「症状が軽い」という特徴があるからこそ、逆に問題の解決(受診の決断→治療)が難しいわけですね。

2-2.「心の健康」に欠かせない「理解者」の存在

心に健康には理解者が必要「疲れ」の原因が「軽微なうつ」だとするなら、発症の可能性は何に左右されるのでしょうか。性格? 遺伝的な要因? 確かに「生まれつき」の傾向も影響するに違いありません。しかし最も大きなポイントとしては「理解者の存在」が挙げられます。

人は誰しも、「理解されたい」、「共感を得たい」という欲求を持っています。
例えば仕事を終えて帰宅したある日。もしあなたが「疲れた」という言葉を口にして、「じゃあ早く寝なさい」、「たまには有給でも取れば?」なんて言われたら、かえって腹が立つのではないでしょうか。
なぜならあなたはアドバイス(疲れを解消する方法)を求めているのではなくて、理解・共感を求めているから。たった一言、

大変だったね。お疲れさま

と言われるだけで、あなたの「疲れ」は大幅に緩和されるに違いありません。
自分の「疲れ」→「頑張りや努力」が認められる人、家族や恋人からこまめに「受容」されている人は、「心の健康」を高い水準で維持することができます。
したがって、「愚痴を聞いてくれる家族」や「悩みを相談できる友人」は、ときとしてプロのカウンセラー以上に有用な存在となります。

とはいえ、単に「家族がいれば大丈夫」、「結婚すれば問題が解決する」、「友達が多いから安心」と断言することはできません。
残念ながら、「理解力に乏しい両親」や「愚痴を無視する夫」は珍しくないのです。
ときには「疲れている」あなたに対して、さらなる負荷を強いる家族、かえってストレスを増大させるような友人関係に、嫌気が差すこともあるのではないでしょうか。

3.心を「労わる」、「疲れない」生き方のコツ

3-1.「一人」でいること「孤独」な暮らしに潜むリスク

孤独な暮らしのリスクもちろん、すべての「疲れ」の原因が「プチうつ」だとは限りませんが、「理解者の欠如」が人生に影を落とすことは間違いありません。
一見したところは独身生活を満喫しているように見える人だって、「結婚願望」という形で「理解者を求めている」ケースは多いようです。事実、未婚率こそ増加している昨今ではありますが、「結婚したい」という望みそのものは、現在も多くの男女が持ち続けています。

人間は社会性なくして生きられない存在です。「私は一人でも生きていける」という人は、世間一般には「強い人」と見なされます。実際、独立心に富み、自信に溢れた「キャリアウーマン」も少なくありません。しかし、だからこそ「自分は大丈夫」と「油断」してしまう傾向が強いのです。

一人で快適に生きてきたつもりが、ある日突然に孤独感で打ちのめされ、はじめて自分の「弱さ」や「脆さ」に気付かされる… 特に40代以降になると、「中年の危機」や「更年期障害」なども相まって、精神の支柱が大きく揺らぐ女性が少なくありません。

乱れた生活習慣が心臓病や癌のリスクをを高めるように、「一人で生きる人生」は、目に見えない形で徐々にメンタルを蝕んでいきます。

3-2.日々「ゆるやか」に「つながる」暮らしを

ゆるやかなつながり日々の「暮らし」や「生き方」の中に処方箋があるとすれば、それは「ゆるやかなつながり」です。ずっと一人でも大丈夫、なんて「慢心」せず、最低限の人間関係は確保しておくこと。
親兄弟、恋人、友達、親戚付き合い、職場でのコミュニケーション… 普段は面倒に思える関係も、「常識」くらいの水準で維持しておきましょう。

その中に「真の理解者」を見出すことは難しいかもしれません。しかし、誰かと「つながる」ことさえできれば、精神面のリスクは必ずヘッジ(分散・回避)されます。

人間関係で消耗しがちな人は、「ゆるやか」な関係性、適度に「距離を置く」関係を意識してみてください。
このくらいの付き合いなら「疲れない」し「気楽」でいいな… そう思えるような距離感。それが「ゆるやかなつながり」です。

ここでいう「つながり」は、必ずしも「身の周りの人間関係」に限定されません。
インターネット上の「友だち」、SNSの「つながり」から滋養を得ることだって十分に可能です。
忘れないで欲しいのは、「上辺だけの付き合い」にもそれなりの「効能」があるということ。
「ゆるやか」だからこそ摩擦が少なく、「つながる」からこそ社会的な欲求が満たされる… メンタルヘルスを健やかに保つ「処世術」として、心に留めていただければ幸いです。

【まとめ】

・日本人の「疲れた」は、心の発するシグナル

・「疲れた」と言えない人、言う相手がいない人は、「心の病気」に陥るリスクが高い

・「疲れ」の多くは人間関係に起因する

・「プチうつ」をはじめとする「心の病」に対して、日本人は非寛容的

・「心の病気」は症状が軽いものほど周囲の理解を得られず、治療が難しい(診断に至らない)

・「理解者」の存在が「疲れ」を大幅に解消・緩和する(精神疾患の予防につながる)

・「一人で生きる人生」はメンタルを病むリスクが高い

・「ゆるやかなつながり」でリスク回避を。たとえ「理解者」は得られなくても、大きなメリットがあるはず

●文/マイハピ編集部

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