心に関係する病気① 自律神経失調症・摂食障害・過敏性腸症候群

心に関係する病気1

ストレスの多い現代社会に生きる私たち。女性の社会進出が進む中で、心理的・精神的な要因で発症する病気が増加傾向にあります。どのような種類の病気があるのか、症状、予防法や治療法など、以下にその詳細を確認しておきましょう。

1.自律神経失調症

1-1.発症の原因は?

自律神経失調症は、「検査をしても異常が見つからない」点に大きな特徴があります。自覚症状はあるのに、原因が分からない…その不安感がさらに症状を悪化させてしまうことも。主な原因はストレスで、その名の通り「自律神経」の働きに異常が生じることで発症します。

自律神経とは、臓器をはじめとする様々な器官の働きを調整する神経。自律神経はホルモンの影響を受けやすく、月経や妊娠、出産、更年期など、ホルモンバランスに変化をもたらす出来事と深い関係のあることが分かっています。そのため、女性は男性に比べて発症率が高く、特に上記のような「自律神経を刺激する要因」に注意しなくてはなりません。

1-2.発症しやすい年齢と主な症状

自律神経失調を発症しやすいのは、ホルモンバランスが急変する思春期、更年期の女性。10~20代の若い女性と、50代以降の女性に多く見られます。

症状には個人差が大きく、疲労感やだるさ、のぼせ、冷え、めまい、頭痛、不眠などが多く見られます。循環器に症状があらわれると、動悸、息苦しさ、胸の圧迫感などが生じることも。さらに便秘や下痢、吐き気、食欲不振など、消化器に症状があらわれることも珍しくありません。この他の症状としては、発汗、肩こり、顔の紅潮などが挙げられます。

自律神経失調症は、症状が時間帯や時期によって変化する点にも大きな特徴があります。例えば、午前中につらい状態が続き、午後にかけて楽になるケースや、月経前、冬の寒い時期に症状が多く出る方など、大きな個人差が見られます。

1-3.一般的な治療法、治療薬

自律神経失調症治療法は投薬が一般的。症状に応じて様々な薬が処方されます(不眠には睡眠薬、頭痛には鎮痛剤という具合に)。症状が多様なので、広範な効果を期待して精神安定剤や「自律神経調整剤」というお薬が処方されるケースも多く見られます。

仕事上のストレスが原因として考えられる場合は、一時的に休職したり、転職したりすることで、症状が劇的に改善する可能性も。ストレスの原因を取り除くこと、身を置く環境を変えて、心と体を休ませることも大切です。

ホルモンバランスと関係の深い病気なので、更年期障害や月経不順の治療薬が効果を発揮することもあります。そのため、ピルやホルモン充填療法も治療法の一つとして有効です。

2.摂食障害

2-1.「拒食症」と「過食症」の共通点

食事を多く摂りすぎてしまう「過食症」と、極端に食べる量が減る(食べられなくなる)「拒食症」を、総称して「摂食障害」といいます。症状から見ると正反対の病気に思えますが、「食への異常なこだわり」と「太ることへの恐怖感」等の点で共通していて、発症の原因も似通っています。

摂食障害では、大量に食べた後、喉に指を突っ込んで吐いたり(過食嘔吐)、下剤を服用して無理に排泄したり、「太らないための問題行動」も多く見られます。

慢性的に嘔吐を繰り返すと、胃酸で歯がボロボロになったり(酸蝕歯)、食道炎など併発することも。下剤の乱用により脱水症状や消化器に異常を発症するケースも少なくありません。

2-2.発症の原因と症状

主な要因としては家庭環境、人間関係のトラブルなどによるストレスが挙げられます。ダイエットをきっかけに発症する例が多く、患者さんの90パーセントを女性が占めています。拒食症に関しては、判断の基準として「標準体重の80パーセントを下回る状態が3ヶ月以上続いている」場合が挙げられます。

しかし本人は病気として自覚していないケースが多く、標準体重を大幅に下回っても「まだ太っている」、「やせているから美しい」と思い込んでいる例が少なくありません。さらに拒食の状態が続くと、栄養失調が進み、入院が必要になるまで体力が低下する(そして死に至る)リスクも高まります。

一方で、過食から肥満に至る例は稀で、過食症・拒食症ともに「栄養失調による健康トラブル」が治療の対象となります。女性の場合、摂食障害から無月経を併発する場合が多く、妊娠・出産に関する健康被害も大きなリスクの一つに数えられます。

2-3.主な治療法

拒食症・過食症栄養失調による体調不良は栄養補給により改善されますが、加えて精神面のケア(カウンセリング)が必要とされるケースが少なくありません。特に家庭(家族関係)に問題のある事例が多く、その修復が重要な課題となります。

摂食障害による無月経は、体重の増加により解消されるケースが大半です。ホルモンバランスが乱れている可能性が高いため、ピルなど処方される事例も多いようです。

まずは治療の第一歩として、自分が「病気である」ということを自覚する(させる)必要があります。ただし、家族や友人がいくら説得しても当人は納得しないケースが多いので、ときには無理矢理にでも受診させるくらい「お節介な姿勢」が必要になります。欧米で問題が深刻化している昨今。日本でも「過度なダイエット」=「心の病気」だという認識の周知が待たれるところです。

3.過敏性腸症候群

3-1.主な症状と原因

慢性的な下痢や便秘を繰り返す「過敏性腸症候群」。症状には個人差が大きく、1週間以上お通じがない方もいれば、1日に10回以上もトイレに駆け込む方もいます。特に、頻発する下痢は日常生活に大きな支障をきたします。「トイレが気になって外出できない」、「授業や仕事に集中できない」、そんなケースも珍しくありません。

自律神経と関係の深い病気で、主な原因としてストレス、緊張、不安感などが挙げられます。大腸の働きは自律神経によってコントロールされているわけですが、心理的な要因でその働きに問題が生じると、下痢や便秘といった症状となってあらわれるのです。

最近では20~30代の女性に多く見られ、特に几帳面な方、緊張しやすい性格の持ち主など、発症率が高いといわれています。大切な試験の前や、職場でトラブルが起きた際など、様々な「出来事」、そして「環境の変化」が、過敏性腸症候群の引き金として考えられます。

「不規則な生活」も自律神経には悪影響。生活習慣の改善により大幅に症状が改善される事例も数多く報告されています。

3-2.治療法と予防法

過敏性腸症候群過敏性腸症候群は精神的な要因の大きな病気です。ストレスをためないことが何よりも大切ですが、仕事や人間関係など、「社会的なストレス」をゼロにすることはできません。そのため、便秘や下痢といった症状を薬で抑えつつ、生活習慣を改善する方法が広く採用されています。

特に「食生活」は重要なポイント。症状に応じて、消化の良い物を食べる、食物繊維を多く摂るなど、普段のちょっとした心がけが求められます。規則正しい生活、ストレスを解消するためのエクササイズ、趣味なども予防効果を発揮します。

ホルモンバランスの影響で更年期以降に女性が発症する過敏性腸症候群に対しては、ホルモン充填療法による改善が期待できます。緊張や不安感を和らげるため、精神安定剤などがあわせて処方される場合もあります。

早期治療古くから「病は気から」と言われていますが、今回ご紹介した病気はまさにその言葉が正しいことを裏付けています。とはいえ、「気の持ちよう次第で治る」とは限りません。心因性の病気も、基本的には治療が必要です。自覚症状があらわれたらできるだけ早く医療機関を受診し、早期治療に努めましょう。

もしも自分の周囲に、強いストレス、不安や緊張に苛まれている人がいるなら、優しい言葉で医療機関の受診を勧めてあげてください。「励まし」や「説得」はかえって逆効果になることもあります。「治療」はプロであるお医者さんに任せ、ご家族やご友人の立場にある方は、その「サポート」に取り組む姿勢を心がけましょう。

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