心に関係する病気② パニック障害・過換気症候群・突発性難聴

心に関係する病気2

ストレスなどによって引き起こされる「心身症」は、ある日、突然に発症するものが少なくありません。何の予兆もなく発作に襲われて、パニックになってしまうのは無理のない話です。

しかし、これらの病気に関して最低限の予備知識さえ持っていれば、早期治療や応急処置によって、健康被害を最低限にとどめることができます。

今回は心身症の中でも比較的ポピュラーな「パニック障害」、「過換気症候群」、「突発性難聴」について見ていきます。

1.パニック障害

1-1.主な症状や原因は

近年、徐々に患者さんが増えている病気の一つに「パニック障害」があります。前兆なくいきなり発作に襲われるケースが多く、具体的な症状としては、激しい不安感、動悸、息苦しさ、胸が締め付けられるような感覚などが挙げられます。

パニック障害を発症すると激しい発作が慢性化するため、外出に恐怖を覚えるようになったり、通学・通勤など社会生活に支障をきたしたりする場合が少なくありません。ただ、発作そのものは短時間で治まるものが多く、命に関わるような危険はありません。

発症の原因はストレスだと考えられていますが、詳細なメカニズムは現在のところ不明。「同じ場所」で繰り返し発作に襲われる点がパニック障害の特徴で、例えば通勤電車の中やエレベーターなど、狭い場所で頻発する事例が数多く報告されています。

発作自体はすぐに治まっても、「また発作が起きるのではないか」という不安から、外出を避けるようになる方も多いようです(この状態を「予期不安」といいます)。

1-2.治療法(投薬とカウンセリング)

パニック障害発症のメカニズムは詳しく分かっていませんが、パニック障害は治療可能な病気です。神経伝達物質の分泌異常などが疑われていて、症状を薬でコントロールする治療法が広く採用されています。具体的には、抗うつ剤、抗不安剤などに一定の効果が期待できます。

ただし、パニック障害は診断の難しい病気の一つで、自律神経失調症、心気症などと「誤診」されるケースも目立ちます。内科などで検査を受けても異常は見つからないのが普通で、心療内科や精神科など、専門の病院にたどり着くまでかなりの時間を要するケースが珍しくありません。

心療内科や精神科では、投薬と並行してカウンセリングも広く行なわれています。例えば、「認知行動療法」として、

自律訓練法…呼吸法などによってリラクゼーションを促す治療法
暴露療法…苦手な場所・環境を克服する(慣れていく)治療法

などが優れた効果をあげています。

2.過換気症候群

2-1.主な症状や原因

何の前触れもなく、突然に息苦しさを感じる「過換気症候群」。「過呼吸症候群」とも呼ばれ、若い女性に多い症状としてよく知られています。息苦しさを解消しようとする→さらに呼吸が深く・速くなる→さらに息苦しくなる…という悪循環に陥るケースが多く、血中の二酸化炭素が不足すると手足のしびれや痙攣(けいれん)、意識喪失などを起こす場合もあります。

過換気の症状は人前で出やすく、特に心配性の方、不安感や緊張を覚えやすい方に多く見られます。男女の比率は1:2程度で、特に思春期~20代の女性に多いといわれています。疲れやストレスが引き金となって起こる「心身症」の一種であり、感情の変化(怒り、悲しみ、感動など)によって発症する事例も多く報告されています。

症状そのものは数分~30分くらいで自然に治まるケースが多いのですが、繰り返し起きる(慢性化する)事例もあって、その場合は治療の対象になります。

2-2.治療法や対処法

過換気症候群過換気の息苦しさは血中の二酸化炭素が不足して起こるもので、二酸化炭素を補えば簡単に解消されます。そのため、紙袋やビニール袋を口に当てて呼吸する(吐いた息を再び吸う)応急処置が広く行なわれています。対処法を「知っている」だけで気持ちが楽になり、再発のリスクが軽減されることも分かっています。

ただし、過呼吸による発作と他の病気によって起きる発作を見分けるのは容易ではないため、上記の応急処置は「過換気症候群の診断が確定している」場合にのみ推奨されます。

慢性化の有無に関わらず、過換気の状態を経験したら必ず医療機関を受診してください。他の発作による「酸素不足」時に過換気の応急処置を行なうと、低酸素血症など併発するリスクが高まります。

症状が慢性化している場合には、抗不安薬をはじめとする投薬治療、心理療法、行動療法など行なわれることもあります。ストレスや疲労が原因である可能性が高いので、心と体を休ませること(休学や休職)が推奨される事例も珍しくありません。

3.突発性難聴

3-1.諸説ある原因と主な症状

その名の通り、突然に難聴を発症する「突発性難聴」。そのメカニズム、原因などは特定されておらず、まだ分からないことの多い病気です。ただし、体の疲労やストレスにより症状が悪化することから、心身症の一つとする説が有力ではあります。

一方で、風邪をきっかけに発症するケースが多い、治ると再発しないといった特徴があるため、ウィルス感染を要因と見る専門家も少なくありません。

症状はどちらか片方の耳にだけ起こる事例が多いのですが、稀に両耳にあらわれます。症状の程度には個人差が大きく、全く聴こえなくなる方もいれば、話し声が聞き取りづらい程度の人もいます。また、耳鳴りや目まい、吐き気、耳が詰まったような感覚(耳閉感)を併発する場合も珍しくありません。

3-2.主な治療法と予防法

突発性難聴早期治療が大切な病気で、予後に大きく影響することが分かっています。自覚症状があらわれたら、できる限り1週間以内に耳鼻科を受診してください。治療が遅れると、耳鳴り、難聴など後遺症が残るリスクが高くなります。

原因が特定されていないため、専用の治療薬は開発されていません。投薬治療においては、ビタミン剤や内耳の血行を促進するお薬が処方されます。心因性の疑いもあるので、入院治療により心身を休ませる方法も広く採用されています。

後遺症としてよく見られる耳鳴りに関しては、心地よいノイズで耳鳴りをごまかす「TRT療法」の有効性が確認されています。

疲労やストレスが引き金となる事例が多いため、両者の解消に努めることが最高の予防法となります。睡眠不足、食生活の乱れ、過度な飲酒など、血行を阻害するリスク要因も避けたいところ。風邪の悪化が突発性難聴を招くこともあるので、罹患時には無理をしないで静養しましょう。

パニック障害」、「過換気症候群」、「突発性難聴」、これらの3つの病気に共通するのは、疲労やストレスが症状を悪化させたり、病気そのものの原因として考えられるということ。また、病気によって引き起こされる「不安」や「心配」がさらに症状を悪化させてしまう「悪循環のメカニズム」も共通しています。

とはいえ、いずれの病気も治療法が存在しないわけではありません。まずは医療機関を受診し、不安や心配を取り除くことが大切。病気が「特定」されるだけでも、症状が大幅に緩和されるケースが少なくないようです。

加えて、心身症の治療は「継続」も重要です。症状が治まったからといってすぐに通院をやめるのではなく、年単位でケアを続けて、経過観察や再発の予防、さらなる症状の改善に努めてください。

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