30代から注意!女性特有の病気…乳がん、乳腺症、卵巣がんについて

乳がん、乳腺症、卵巣がんについて

女性の平均寿命は86歳以上。
男性と比較すると約6歳も長く、「病気になりにくい」ことが統計的にも示されています。

しかしその一方で、「女性特有の病気」も数多く存在し、健康なまま一生をまっとうできる女性は限られています。

健康上の問題なく日常生活を送ることのできる期間をあらわす「健康寿命」は、女性が約74歳、男性が70歳。

女性の方が長く生きる分だけ、「病気と付き合う」期間も長くなる傾向にあります。

「女性特有の病気」は、40~50歳にかけて次第に発症のリスクが大きくなります。

近年では生活習慣の変化が影響し、発症年齢が若年化。30代で大病を経験する女性も珍しくありません。

今回は、「健康な老後」を迎えるために気をつけたい、乳がん乳腺症卵巣がんについて見ていきます。

1.乳がん

1-1.乳がんの特徴や症状

乳がん

乳房にできる悪性の腫瘍を総称して「乳がん」と呼びます。

乳房の「しこり」として発見されるケースが多いのですが、乳房にできたしこりが必ずしも乳がんであるとは限りません。

事実、乳房のしこりは90パーセント以上が良性のもので、検査の結果に安堵する方が大半です。

乳がんを発症する年齢層は40~50代が中心。
乳房の「外側」、「上部」にできやすいという特徴があります。

また、乳腺症などのしこりは表面がツルツルとしていますが、乳がんの場合はデコボコとした感触である場合が多いようです。

痛みなどは特になく、短期間で大きさが変わることもありません。稀に乳首が陥没したり、わきの下にしこりができることもあります。

乳がんを「早期発見」するためには、日頃のセルフチエックが重要。自身で見る、触るなどして、最低でも月に一度くらいは調べてみましょう。

月経が終わってすぐの頃は乳房の張りが少なく、痛みも出にくいため、最適なタイミング。しっかり「触診」して、もしも異常を見つけたらすぐに医療機関を受診してください。

繰り返しになりますが、乳房にできるしこりはほとんどが良性のもの。無用の不安を払拭するためにも、早期の受診をおすすめします。

1-2.乳がんになりやすい人ってどんな人?主な原因

乳がんの発症には、ホルモンバランスが大きく影響します。

具体的には、出産回数の減少や、高齢出産の増加がリスク要因として挙げられます。

この点を個人に当てはめて考えると、未婚(子どもがいない)女性、30歳以上になって初産を経験した女性など、いずれも注意が必要です。

また、生活習慣(特に食生活)の影響も指摘されていて、肥満気味の方は発症率が高い傾向にあります。

遺伝的な要素もあるため、母親や姉妹、祖母など近親に乳がんを発症した女性がいる場合は要注意。

定期健診による早期発見・早期治療で、重症化のリスクを軽減したいところです。

1-3.一般的な検査法

主な検査法としては、触診、超音波検査、X線撮影が挙げられます。

超音波(エコー)検査は、その名の通り超音波を乳房にあてて、しこりを詳細に画像撮影し悪性か良性か判定するもの。

痛みなどは一切なく、短時間で終えることができるため、非常に手軽な検査法といえます。

X線撮影(マンモグラフィー)は乳房を板のようなもので挟み、レントゲンで撮影する検査法。乳房が圧迫されるため、痛みを感じる方も少なくありません。

X線というと放射線を気にされる方もいるかもしれませんが、被ばく量はごくわずか。
仮に100回撮影したとしても、健康上のリスクは発生しません。

検査の精度が高く、触診では見つからないようなごく初期のがんでも発見可能です。

1-4.進行の度合によって異なる治療法

一般的な治療法としては手術が採用されます。
乳がん=乳房を切り取る手術が必要というイメージをお持ちの方も多いのですが、初期の段階であれば乳腺の一部とリンパ節だけを切除する「乳房温存手術」も可能です。

しこりが小さい場合や、部位が乳房から離れているケースなど、いずれも温存手術で対応できる事例が少なくありません。

さらに放射線治療と併用することで、再発の確率が大幅に軽減されます。

がんが広がっている場合には、乳房とリンパ節を切除します。

乳房は女性の美を象徴する部位。切除には抵抗を覚える方も多いようです。そこで、術後に「再建手術」を行い、乳房の形を整える方法も確立されています。

人工の乳房を挿入したり、皮膚や脂肪、筋肉を移植することで、水着やドレスなど違和感なく着られるまで形・大きさが回復されます。

2.乳腺症

2-1.乳腺症とは?症状や原因、検査法

乳腺症

乳房の病気の中で最もポピュラーな「乳腺症」。事実、乳房にできるしこりの大半は乳腺症によるものです。

しこりを押すと痛みがある、時間の経過とともに小さくなり痛みが和らぐ…
これらの特徴に該当したらほぼ間違いなく乳腺症であると考えられます。

とはいえ、乳がんである可能性も完全には否定できませんから、念のため医療機関での検査をおすすめします。

乳腺症はホルモンバランスの悪化によって発症し、特に30代~50代の女性に多くみられます。

あくまで良性のしこりですから、治療は不要なケースが大半です(しこりががん化することはありません)。

検査には触診、エコー、マンモグラフィーなど、乳がんと同様の方法が採用されています。

2-2.乳腺症の治療法と注意点

検査後、乳がんである可能性が否定されたら、基本的には放置して問題ありません。

痛みが強い場合にはホルモン療法(注射)など行なわれることもありますが、しこりを取り除くことはせず、経過観察が一般的です。

多くの場合、乳腺症によるしこりは時間の経過とともに自然と小さくなり、痛みも軽減されていきます。

ただし乳腺症を発症した女性は、乳がんの罹患率(りかんりつ)が高いことが分かっています。

念のため定期健診を習慣として、早期の治療・発見を心がけましょう。

しこりが気になる…
がんかもしれない…
怖い…
と悩み続けるのではなく、検査を受けて不安の解消に努めましょう。

3.卵巣がん

3-1.主な原因、症状、予防法など

卵巣がん

早期発見が難しいとされる「卵巣がん」。
しかし、卵巣は腫瘍のできやすい臓器の一つで、特に40代以降の女性は発症率が高いといわれています。

卵巣にできる腫瘍の多くは良性の「卵巣のう腫」と呼ばれるものですが、悪性の腫瘍はがん化し、不妊症などの原因になることがあります(卵巣のう腫についても、肥大化したものは治療の対象になります。)。

一般的な検査法としては超音波、腫瘍マーカー、MRI、CTなどが挙げられます。

発症にはホルモンの影響が顕著で、妊娠・出産の経験がない女性に多いことが分かっています。

また、生活習慣(糖尿病、肥満、高血圧など)との関連も指摘されており、予防のためには「健康的な生活」が何よりも推奨されます。

自覚症状はないのが普通ですが、がんが進行すると腹部が膨張することもあるようです。

その時点では相当に腫瘍が肥大化しているので、治療にかなりの時間を要します。

早期発見・治療のために、40歳を過ぎたら一年に一度は検診をおすすめします。

3-2.一般的な治療法は?手術や抗がん剤について

初期の卵巣がんは、手術で患部を切除する方法により完治します。

がんがリンパ節や腹膜に転移しているケースでは、抗がん剤でがんを小さくして、その後に手術を行なう方法が一般的。

ただ、卵巣がんが転移する可能性は比較的小さく、多くの場合、抗がん剤も効果的に作用します。

「卵巣がんになると妊娠も出産できない」とよく言われますが、最近では卵巣を温存する手術も広く行なわれています。

例えば、片方の(がんのある)卵巣だけを切除し、抗がん剤を併用することで、妊娠・出産に必要な能力を温存することができます。

これら女性特有の病気について共通するのは、いずれも早期発見・早期治療が、予後に大きく影響するということ。

そして、日頃の心がけ(生活習慣やセルフチェック)が、病気の予防・発見につながるということです。

「健康な身体」は、妊娠・出産の基盤となることはもちろん、充実した生活、自立した老後に欠かせません。

健康面に不安がある方は、生活習慣を見直すとともに、定期的に検診を受ける=「受診の習慣化」を強くおすすめします。

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