症状は?治療法や検査の方法は?「子宮の病気」について

子宮の病気について

女性にしかない臓器である「子宮」は、とてもデリケートな器官。
そして、「命を育む」という重要な役割を担っています。

しかし「女性特有の病気」は、子宮で発症するものが少なくありません。

子宮筋腫、子宮内膜症、子宮頸がん…
これらの病気は、子宮があるからこそ、女性だからこその「リスク」だと考えることもできます。

とはいえ、必ずしも怖い病気ばかりではありません。

多くの病気は、あなたの心がけ次第で予防・治療が可能です。

今回は「子宮の健康」を維持するための基礎知識、そして「子宮の病気」について解説します。

1.子宮筋腫とは

1-1.最もポピュラーな病気「子宮筋腫」

30歳以上の女性の20~30パーセント(4人に1人)が発症する「子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)」。

名前だけ聞くと怖い病気に思えますが、簡単に言えば「良性の腫瘍」ですから、それほど危ないものではありません。

筋腫ができる原因についてはまだ分かっていない部分が多く、予防が難しい病気でもあります。

多くのケースでは、20代~40代にかけて筋腫が大きくなり、閉経期にさしかかると小さくなります。

したがって、女性ホルモンが関係している可能性が高く、近年では低用量ピルの服用によって症状の予防・改善が図られるケースも増えています。

1-2.定期健診で早期発見・早期治療を

定期検診

良性の腫瘍とはいえ、筋腫が肥大化すると、出血したり、不妊や流産を誘発する危険性があります。

筋腫はゆっくりと大きくなり、中には子宮内で複数の場所にできるケースもあるようです。

自覚症状は全くないのが普通で、その多くは検診によって発見されます。

筋腫が小さいうちに、できるだけ早期に発見、治療することで体への負担は軽くなり、諸症状の予防・改善も容易になります。

子宮の検診はちょっと…
と敬遠される方も多いのですが、近年では超音波による検査が普及していて、ごく短時間で診察を終えることのできる病院が少なくありません。

筋腫が小さい、症状がない場合には、特に投薬や手術など行なわず、定期健診による経過観察でOKなケースも珍しくないようです。

1-3.一般的な治療法について

投薬により治療を行う場合は、筋腫を「小さくする」ことを目的とします(投薬で筋腫を「なくす」ことはできません)。

年齢的に閉経が近い方、妊娠を望まない方の治療に際しては、薬で人工的に閉経状態を作り出して、筋腫を小さくし、症状の緩和を図ります。

年齢によっては、閉経を迎えるまで投薬を続けることで、筋腫が小さくなるのを「待つ」長期的な治療法も採用されています。

筋腫が握りこぶしより大きい場合や、不妊や出血などの症状を誘発している場合には、手術が行われます。

通常は筋腫を「切除する」方法で治療を試みますが、稀に「子宮を摘出する」という方法が採用されることもあります。

治療法については、年齢、妊娠を希望するかどうか、筋腫の大きさなど、様々な要素から総合的に判断されます。

積極的に治療するケースと、あえて放置する(経過を観察する)ケースでは、それぞれにメリット・デメリットがあります。

最終的には「自分で判断する」必要があるので、医師の説明をよく聞いて、双方きっちりと話し合ったうえで最善の選択を行ないましょう。

2.子宮内膜症とは

子宮内膜症

2-1.「子宮内膜症」ってどんな病気?発症のメカニズム

子宮内には「子宮内膜」という組織があります。その組織が卵巣や卵管など「子宮以外の部位」にできてしまう病気、それが「子宮内膜症(しきゅうないまくしょう)」です。

本来なら子宮内膜は月経のたびに出血し、その血液は「経血」として体外に排出されます。

しかし子宮外で子宮内膜が出血すると、その血液は行き場を失い、体内にたまっていきます。
やがてその固まりが「のう腫」を形成し、様々な症状を引き起こします。

特に卵巣にできる「チョコレートのう腫」は女性特有の病気としてよく知られています。

2-2.主な症状について

主な自覚症状としては、重い生理痛、腰痛、性交時の痛み、経血の増量などが挙げられます。

中には全く症状の出ない方もいますが、時間の経過とともに症状が進行・悪化する可能性が高く、治療が不要だとは限りません。

子宮内膜症は診断が難しい病気の一つだといわれており、原因を特定するまでに何度も検査を繰り返すケースが珍しくないようです。

発症の原因についてはよく分かっていませんが、妊娠中・授乳期間には症状の進行がストップすることから、ホルモンバランスの影響が指摘されています。

出生率の低下に伴い、近年では20代~30代の女性に発症するケースが増加傾向にあります。

症状が進行すると不妊のリスクが高まることから、やはり早期の発見・治療が望ましい病気です。

2-3.一般的な治療法について

基本的には、体内にたまった血液を吸引し、薬で症状の進行を抑えるという治療が行なわれます。

処方される医薬品としては、人工的な閉経状態を誘発するホルモン剤、低用量ピルなどが挙げられます。

すでに症状が進行している場合には手術が行われることもありますが、最近では腹腔鏡という機器を用い、体に負担をかけない(傷口が目立たない)施術方法も普及しています。

3.子宮頸がん

子宮頸がん

3-1.ウィルスによって引き起こされる「子宮頸がん」

一般に「子宮がん」という場合、それは「子宮頸がん」か「子宮体がん」のいずれかを意味します。

子宮頸がん(しきゅうけいがん)は、膣の近くにある「子宮頸部」にできるがんのこと。

もう一つの「子宮体がん」とは、それぞれ発症のメカニズムや治療法が異なります。

子宮頸がんはウィルスの感染によって引き起こされる珍しいタイプのがんで、セックスによってうつる=他人に感染する点に特徴があります(そのため性感染症の一つに数えられることも)。

一方、がんの中では比較的発見が容易で、早期に治療すればほぼ確実に完治します。

30代で発症することの多い病気ですが、性交経験のある女性は10代~20代でも注意が必要。近年では、定期健診による早期発見の取り組みが自治体レベルで強化されています。

3-2.一般的な検査法について

「がん検診」というと、かなり大掛かりな検査をイメージされる方も多いと思いますが、子宮頸がんの検査法はごくシンプル。

ブラシや綿棒のようなもので子宮の粘膜を軽く擦り、細胞を採取するだけです。痛みも出血もありません。

「恥ずかしい」という方も多いのですが、検査はほんの一瞬。

最近では女性の医師が検診を担当する病院・クリニックも増えているので、「女医さんのいる医療機関」を探して受診するのも良いでしょう(担当者については、電話で問い合わせれば教えてもらえます)。

30歳以上の女性については、市町村が費用を負担し、無料で検診を受けることのできる制度も用意されています。

できる限り定期健診を習慣として、年に一度は「子宮の健康」についてチェックしたいところです。

3-3.妊娠の可能性や進行の度合によって異なる治療法

基本的な治療法としては、子宮を摘出する手術が採用されています。妊娠を希望する女性については、子宮の一部だけを取り除く手術が行われます。

この他、レーザー治療、投薬、放射線治療など、がんの進行に応じて治療法にはいくつかの選択肢が存在します。

入院期間は平均して1週間~10日くらい。レーザー治療の場合は日帰りで手術可能なケースも多いようです。

いずれにしても、がんの発見が早ければ早いほど治療期間は短く、より体への負担が少ない治療法を選択できます。

ただし、初期の状態では自覚症状が全くない方も多いので、発見時にはがんが進行している可能性も高いようです(だからこそ定期健診の必要性が高い病気なのです)。

子宮を摘出すれば、がんが再発する可能性はほぼなくなりますが、「女性らしさが失われる」と体質・体調の変化を心配される方も多いようですね。

確かに子宮は「女性の象徴」ともいわれる器官。心配や懸念はよく分かります。

しかし実際には、女性ホルモンは「卵巣」で分泌されているので、「女性らしさ」に影響することはありません。
膣も残るので、治療後にはセックスも可能です。

4.子宮体がん

子宮体がん

4-1.発症のリスクが高まっている「子宮体がん」

膣の奥にある「子宮体」という部位にできるがんを「子宮体がん」といいます。

子宮頸がんのようにウィルスによって引き起こされるものではなく、感染もしません。

かつては「子宮がん」に占める子宮体がんの割合は10パーセント程度でしたが、近年では患者が急増し、子宮頸がんと同じくらいにまで増えています。

特に多いのは閉経後、50~60代になってから発病するケース。

生活習慣がリスク要因として指摘されていて、肥満や高血圧、糖尿病など、いずれも関係性があるといわれています。

また、妊娠・出産の経験がない女性も発病のリスクが高いといわれており、「現代病」としての側面が大きい病気の一つです。

4-2.一般的な症状と治療法、検査法について

初期症状としては不正出血が挙げられます。
しかし生理不順と誤解される方も多く、症状を見過ごしてしまうケースも少なくないようです。

がんの進行に伴い、血に膿が混じったり、量が増えたり、悪臭を放つなど、変化が見られます。

早期に発見できた場合では、低用量ピルやホルモン剤による投薬治療が行われます。

症状が進行しているケースについては、子宮やリンパ節の摘出手術、抗がん剤による治療などが試みられます。

子宮頸がんと同じく、検診は自治体が無料で行なっています。

ただ、子宮の奥を検査する必要があるため、器具を挿入する際に出血や痛みをともなう方が多いようです。

また、検査を行なってもがんを見過ごしてしまう(発見できない)可能性があります。

検査および早期発見の難しい病気なのですが、近年ではエコー検査など併用することにより、より精度の高い検査方法も確立されています。

子宮の病気は、その多くが早期治療により完治します。しかし、発見が遅れると、妊娠・出産に悪影響を及ぼす可能性が高くなります。

検査には抵抗を覚える方も多いと思いますが、あなた自身の命を守り、そして将来授かる命をより安全に受け入れるためにも、定期健診を心がけましょう。

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