「専業主婦になりたい」は甘え?専業主婦のメリットとデメリット

「専業主婦になりたい!」
若い女性の間で徐々に増えているそんな意見。
現在、専業主婦の割合は約37パーセント。約660万世帯です。
※共働き世帯は1,130万世帯。
年齢別にみると、専業主婦の割合は、
30代 ~ 34.9%
40代 ~ 17.8%
50代 ~ 21.8%
ちなみに、30歳未満の女性(主に20代)では約50%が専業主婦です。意外に多いですよね。
でも、専業主婦って本当に楽で、楽しいものでしょうか?
今回は当編集部員が専業主婦を経験して分かったメリットとデメリットをご紹介します。
◆ 文/マイハピ 編集部
専業主婦のデメリット
① 世帯の収入が減る
女性が専業主婦になった場合、世帯の年収は確実に減ります。夫の年収が少ないと、一気に家計が苦しくなる場合も。
妻はお小遣いナシ、貯金ゼロ、生活費は完全に夫が頼り…
そんな依存型の生活に陥ってしまうリスクがあるのです。
経済的な余裕を優先するなら、共働きの方が良いでしょう。
②「甘え」や「わがまま」だという世間の厳しい評価
女性の社会進出が一般化し、「専業主婦は甘え」だという意見も増えてきました。
実際には、家事や育児だって大変なのに…
そういう「女の仕事」は、世間から努力を理解されないのです。
「子なし」の主婦はもっと絶望的。働きたくないだけの「わがまま」な女性として、親戚やご近所さんから軽蔑されるかも…
ときに見下されるストレスや劣等感が、精神的には最大のデメリットかもしれません。
③ 家事や子育てがつらい…
欧米では、家事は夫婦で分担するのが当たり前。日本でも共働きなら、家事を分担する世帯が増えています。
しかし専業主婦のいる家庭はどうでしょうか。
「主婦の存在価値は家事・育児」
そのように考える男性がまだ少なくありません。
女性が家事や育児を「やって当たり前」というプレッシャー。がんばっても評価されないし、夫の無理解と非協力的な姿勢…。
この孤独に耐えられるかどうか、向き不向きはハッキリ出そうです。
④ 離婚のリスク30%を背負いながら、キャリアアップもできない
現在、日本では3組に1組の夫婦が離婚しています。離婚後の専業主婦は、収入なし、手に職なし、職歴なしでないない尽くし。残念ながらニートと紙一重です。
長年のんびりした生活に慣れ親しんでいると…
「いまさら働きたくない」「再就職のやる気が出ない」そんなマインドに陥りがち。
離婚のリスクは相当高いのに、多くの主婦がキャリアアップのチャンスを放棄しています。そして離婚した途端、困窮するシングルマザーやワーキングプアに…。
「専業主婦の人生設計は、3分の1の確率で破綻する」
この離婚によるリスクこそ、最も深刻なデメリットかもしれません。
⑤ 楽すぎる=暇すぎる毎日!でもお金は自由に使えない
「専業主婦は楽だから羨ましい」という人がいます。でも、「趣味なし&子なし&へそくりなし」の場合はどうでしょうか。
例えば、子育ては最も大変な仕事ですが、最大の生きがいでもあります。育児をしない主婦は、楽な反面、毎日時間を持て余しがち。
夫の収入に頼ることになれば、(いくら時間があっても)お金も自由に使えません。さらに主婦は、クレジットカードも審査を通りづらいです。
キャッシングもカードローンも利用できず、平均的なお小遣いは月に数万円程度。ちょっとした洋服代だけで消えてしまいます。
「贅沢できない=つまらない」と考えてしまう方にとって、これは深刻な状態。専業主婦としてのモチベーションを維持できないかもしれません。
専業主婦のメリット
① 好きなことにとことん時間を割ける
専業主婦は家事や育児以外の時間を、自由に使えます。ですから、とことん趣味に打ち込んだり、毎週のように旅行したり…
時間の使い方はその人次第。そんな有意義な時間こそ、最大のメリットといえるでしょう。
もちろん1日のんびり、マイホームでゴロゴロするのもアリ。
主婦に向いている人なら、そんな何気ない時間であっても、ささやかな幸せを満喫できるでしょう。
② 圧倒的にストレスの少ない毎日
子育てや家事があるにしても、主婦のストレスは少ないです。毎日のルーティンワークが苦にならない女性なら、本当に楽な日々を送れるでしょう。
でも、刺激がないから「やる気が出ない」、「モチベーションが続かない」そんな場合は…?
あえてストレスのある環境に飛び込んでみましょう。
お料理教室に通ったり、在宅で副業を始めたり…
ちょっとしたストレスが、日常のスパイスになります。
そこにあるのは、ストレスまでコントロールできる理想の生活。なんて贅沢な話でしょうか。
③ 子どもと一緒にいられる
専業主婦は、最も身近で子供の成長を見守れる立場。育児のスペシャリストであり、母親としての欲求に忠実な存在です。
共働きの家庭では実現できない、よりアットホームな子育てと、密接な親子関係。
「子育てするなら仕事を諦めるべき」と私自身は思いません。
でも、「もっと子どもと一緒にいたい」という気持ちを抱くお母さんは、私も含めて多いはず。
専業主婦ならそんな後悔もなく、とことん育児に打ち込めます。
「子どもこそ命!」な女性にとっては、何にも代えがたいメリットです。
④ 世間から「羨ましい」「偉い」という評価も
専業主婦を「わがまま」「甘え」と見下す風潮がある一方で、評価する声もまだまだ多いです。
例えば、夫のご両親や親せきから「女性は家庭に入るべき」と言われたら…
賛否両論あるとは思いますが、素直に従うのもアリかもしれません。
専業主婦を女性の最上のステータスと見る人々にとって、あなたは憧れの存在に。
「羨ましい」とか「良妻賢母」とか…世間の評価は意外に昭和の時代から変わっていないのです。
⑤ 年金や保険料など、制度上の優遇措置を受けられる
「主婦には経済的なメリットがない」とよく言われます。しかし実際には、年金や保険の制度上は、様々な優遇措置を受けられます。
医療上は(健康診断など)市区町村の補助制度もあります。または、ご主人の勤務している企業によっては「家族健診」の対象に。
税制上は「配偶者控除」があって、保険料は「扶養」に入れば無料です。
中途半端に働くより、こうした制度を賢く利用した方が、経済的にもメリットは大きいかもしれません。
⑥ 再就職や資格の取得もできる
先ほど「専業主婦はキャリアアップできない」と書きましたが、方法が全くないわけではありません。
子育てがひと段落すれば、家事の合間に勉強したり、資格を取ったりすることもできます。実際に再就職する主婦も多いです。
最近ではインターネットを利用して、副業に励む女性も増えています。
つまり、「好きなだけ働いて、好きなだけ遊ぶ」生き方に一番近いのが専業主婦。
働きたくないときは、働かない。働きたいときは、自分の好きな仕事にだけ励む。
まさに理想的な生き方(ワーク・ライフ・バランス)ではないでしょうか。
⑦(夫の収入次第で)とことん贅沢な生活ができる
夫の収入によっては… という条件付きですが、主婦は贅沢な毎日を満喫できます。日帰りで旅行に行ったり、友達と数千円のランチを食べたり。
統計を見ると、実際に夫より贅沢をしている主婦は多い模様。(例えばランチ代の平均は夫が約700円で、妻が約1,200円)
専業主婦なんてお金持ちじゃないと無理… と諦めるのは、あなたの誤解かもしれません。
平均的な二人世帯の場合、夫の年収が450~550万円あればOK。老後も含めて、それなりにゆとりのある生活が可能です。
(3人世帯なら平均600万円、4人世帯なら650万円が年収の目安)
旦那さんに相応の収入があるなら、無理に共働きを選択する必要はないのかもしれません。
「専業主婦は甘え」なんて卑屈に考えず、理想のワーク・ライフ・バランスを追求してみては?
専業主婦VS.キャリアウーマン
ここまで専業主婦のメリットとデメリットを見てきました。結局のところ、主婦とキャリアウーマンはどちらが楽しく、充実した毎日を送れるのでしょうか。
まずは主婦のメリットとデメリットをおさらいします。
メリット
◆ 時間的な余裕(好きなことができる)
◆ ストレスが少ない
◆ より多くの時間を子どもと過ごせる
◆ 世間や親せきから評価される(特に高齢の世代から)
◆ 年金や保険、税金などで優遇される
◆ その気になれば資格を取ったり再就職したりもできる
◆ 夫の収入次第で贅沢も可能
デメリット
◆ 共働きと比較して収入減
◆「甘え」「わがまま」という世間の厳しい評価(特に若年層)
◆ 家事や子育ての辛さ(やって当たり前という風潮、夫の無理解)
◆ 離婚のリスク(キャリアを棒に振る危険性)
◆ 暇だけどお金は自由に使えず、毎日つまらない
専業主婦に向いている人&向いていない人
高性能な家電が普及し、主婦の労力は大幅に軽減されています。しかも少子化が進み、多くの女性が子育ての義務からも解放されている現在。
そこに「甘え」や「わがまま」を見て取るのは、一種の嫉妬かもしれません。
私は出産後に再就職しましたが…正直いまでも「主婦が羨ましい!」と思っています。
ただ、主婦には「向き不向き」があるようです。
向ている人は、
◆ 昔ながらの結婚や家庭に憧れている
◆ ルーティンワークや趣味に打ち込める
◆ お金の優先度(プライオリティ)が低い
(経済的に恵まれているか、またはお金がなくても気に病まない)
そんな傾向があります。
一方で、向いていない人は、
◆ 自身の仕事やキャリアに生きがいを感じる
◆ のんびりした生活より刺激的な生活に憧れている
◆ お金の優先度が高い
(贅沢をしたいという願望が強い、または経済的な余裕がない)
以上の項目に該当するケース。
専業主婦になりたい方もそうでない方も、自身の価値観や志向をじっくり考えてみましょう。あなたが理想とする幸せは、きっとその先にあるはずです。
◆ 文/マイハピ 編集部
最終更新日:2021年12月14日
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