女性は慢性化しやすい?便秘・低血圧・肩こり・腰痛について

便秘、低血圧、肩こり、腰痛…
どれも命に関わるような症状ではありませんが、「悩み」として抱えている女性は多いようです。
より健康的に、快適な暮らしを手に入れるために。
今回は、慢性化することも多いこれらの諸症状について学びましょう。
基礎知識があるだけでも、だいぶ症状の予防・改善に役立つはずです。
◆ 文/マイハピ 編集部
1.便秘
1-1.主な症状と種類・原因について
多くの女性が悩む「便秘」の症状ですが、必ずしも「病気」ではありません。
排便のリズムには個人差が大きく、毎日お通じがないと苦しい人もいれば、3日くらい排便しなくて平気な人もいます。
治療の必要性を判断するポイントは、当人が「不快」に感じるかどうか。
または腹痛や肌荒れなど、他の健康トラブルを併発している場合も治療が推奨されます。
特に高齢者は、排便のリズムを正常化することで諸症状が緩和され、「生活の質」の向上も期待できます。
便秘はその原因によって大きく2種類に分類されます。
腸閉塞やがんなどの病気によって引き起こされる便秘は例外的なもので、女性に多いのは「弛緩性」と「直腸性」の2タイプ。
弛緩性の便秘は腸の働きが弱い場合に起こるもので、運動不足や筋力不足、乱れた生活習慣などが主な原因として考えられます。
直腸性の便秘は排便のリズムが乱れることによって起こるもの。便意を我慢したり、水分が不足したりすることで慢性化します。
また、下剤を常用することでも発症のリスクが高くなるといわれています。
中には1週間~10日くらいお通じがない人もいて、腹痛で病院を訪れる患者さんも珍しくありません。
1-2.主な治療法と対策
いずれの便秘も投薬による治療が効果的。
ただし、症状に応じて処方される薬は異なり、腸を刺激するタイプ、便をやわらかくするタイプ、腸の働きを整えるタイプ…
などなど、様々な下剤が使い分けられています。
また、同じ薬を使い続けていると効果が弱まるので、時おり薬の種類を変えて処方することが望ましいとされています。
市販の便秘薬を購入する場合も、その薬の効用・種類など、正しく把握することが大切。
できるだけ常用は控えて、体質改善による根本的な症状の緩和を図りましょう。
大腸の働きは、胃に食べ物が入ると活性化します。特に朝食後はお通じが起きやすいので、ゆっくりトイレに入る習慣を心がけてみましょう。
規則正しく食事する、ある程度まとまった量の食事を摂るとさらに効果的です。
野菜類を多く摂り、食物繊維を積極的に摂取することもお忘れなく。
加齢による筋力(特に腹筋)不足は、適度な運動によって予防・解消されます。
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、腸を刺激する効果も大きいので特におすすめ。
並行して水分を積極的に摂り、健康な排便を促しましょう。
統計的には肥満と便秘の関係を指摘するデータもあります。
肥満気味の方は健康的なダイエット(運動+栄養バランスの改善)によって、便秘の改善を図ることができるでしょう。
2.低血圧
2-1.主な症状
血圧が標準値より低い(収縮期血圧が100mmHg未満)状態を「低血圧」、または「低血圧症」といいます。
症状には個人差が大きく、全く自覚症状のない方もいれば、めまい、立ちくらみ、疲れやすさ、眠気(寝起きの悪さ)、冷え、失神に至るまで、様々な症状を併発する場合もあります。
ただし、必ずしも治療が必要なものではなく、健康上のリスクも大きくはありません。
むしろ低血圧な状態は血管にかかる負担が少ないため、メリットの方が大きいという説もあるようです(低血圧=長寿を指摘する統計も存在します)。
したがって、日常生活に大きな支障をきたす場合を除き、特に気にする必要はないといえるでしょう。
低血圧は女性に多く見られる症状(体質)で、顔色が悪い、朝が苦手、冷えの症状が出やすいといった特徴が見られます。
また、急激に血圧が下がって脳の血液が不足し、「脳貧血」という状態に陥る方も珍しくありません。
脳貧血からめまい、立ちくらみ、失神などの症状があらわれて、転倒、怪我をすることもリスクの一つに数えられます。
2-2.治療法と対策
低血圧は体質によるところが大きいので、基本的には治療でなく生活習慣の見直しが有効です。
例えば、起床後にシャワーを浴びる、ウォーキングなど軽い運動をする、睡眠時間を十分に確保する(早めの就寝を心がける)など。
特に運動(エクササイズ)は効果的で、血行促進による自然な体質改善を期待できます。
日常生活を快適に過ごすためのポイントは、体質としての低血圧を自覚しつつ、「自分を労わる」姿勢を心がけること。
疲れを溜め込まない、冬場は体を冷やさない、朝から午前中にかけては無理をしない…
などなど、自分に合った生活のリスムを把握しましょう。
通常、慢性的な低血圧(本態性低血圧症といいます)は治療を必要としませんが、病気や薬の副作用によって発症する急性の「症候性低血圧症」は、原因疾患の治療が必要になります。
目まいや疲労感など、何らかの自覚症状があらわれたら念のために医療機関を受診しましょう。
3.肩こり・腰痛
3-1.肩こりの原因と解消法
肩こりは血行不良や筋肉の疲労によって起こります。
長時間のデスクワークが当たり前になっている昨今。肩こりに悩む女性は増加傾向にあります。
予防法や応急処置としては、ストレッチ、患部を温めるなどの方法が効果的。
血流を促し、筋肉をほぐすことが大切です。
肩こりが悪化すると、頭痛や目の疲れ、イライラ(不快感)など併発することも。
生活(労働)環境によって慢性化するケースが多いので、その原因を探り、できるけ早く改善することをおすすめします。
女性は特に更年期以降、肩こりを発症する事例が多いようです。
当該ケースはホルモンバランスの悪化が要因なので、ホルモン充填療法による治療が非常に効果的。
「ただの肩こり」と看過するのではなく、医療機関で「治療」することを強くおすすめします。
3-2.腰痛の原因と解消法
腰に過剰な負担がかかると腰痛を発症するリスクが高くなります。
特に女性は、男性に比べて骨盤が小さく、子宮や卵巣など多くの臓器を骨盤内に有しているため、腰痛に悩まされる方が多いといわれています。
腰に負担をかける要因としては、長時間のデスクワーク、自動車の運転、立ち仕事などが挙げられます。
どれも日常的な作業ばかり。ちょっとした予防策で腰痛のリスクを少しでも軽減しましょう。
具体的には、こまめに休憩を取る、ストレッチや運動で血行を促進する、体を温めるなどの方法が効果的。
また、筋力(特に腹筋・背筋)が衰えると腰痛を発症する危険性が高まるので、エクササイズで体を鍛える習慣も大切です。
特に、急な激痛で知られる「ぎっくり腰」は、腰の骨を支える筋肉を増やすことで効果的に予防可能です。
更年期以降は、ホルモンバランスの悪化、骨粗しょう症などの疾患によって腰痛を発症する女性が増加します。
ホルモン充填療法をはじめとする治療により劇的に改善される場合も多いので、痛みがあらわれたら医療機関を受診してみてください。
この他、腰痛を発症する原因としては、肥満、老化、糖尿病、月経前症候群、子宮や卵巣の病気などが考えられます。
中には命に関わる危険な病気も含まれています。
生活習慣の改善、または早期治療に努め、「痛みを放置しない」姿勢を心がけましょう。
今回の記事で解説した健康上のトラブルは、いずれも「生活の質」=「クオリティ・オブ・ライフ」に大きく影響します。
特に高齢になってから症状が進行・慢性化する女性は多く、便秘・低血圧・肩こり・腰痛など、一つも該当しない人の方がむしろ少数派。
これさえなければ…
と頭を悩ませる女性が多いようです。
しかし、今回ご紹介した諸症状は、生活習慣の改善によって予防可能なものばかり。
初期の状態であれば、治療も難しくありません。
より健康的で、充実した人生を歩むために。老後の自立した暮らしを実現するために。
自分は若いからまだ大丈夫…
と油断せずに、今のうちから10~20年後のクオリティ・オブ・ライフを意識した生活を始めましょう!
◆ 文/マイハピ 編集部
最終更新日:2021年2月19日
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